「わかっちゃいるけどやめられない」をやめる方法①~生活習慣病対策「幸福の最大リスクは健康 3」~
「わかっちゃいるけどやめられない」をやめる方法①
~生活習慣病対策「幸福の最大リスクは健康 3」~
■健康を損なう生活習慣を改善するノウハウ
幸福を破壊する最大のリスクは健康であり、
健康を害する脅威の最たるもの、
死にいたる可能性の高い病の代表が
癌(がん)であることは前回の記事で述べた通りです。
癌と並んで現代日本人の重大リスクであるのは、
「生活習慣病」と言われる、
脳卒中、その原因となる高血圧、
糖尿病など。
癌も、遺伝的要因もありますが、
胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、乳がん等まで
喫煙、飲酒等の生活習慣との
因果関係が強いので、
生活習慣病という側面もあります。
■良い生活習慣は幸福への道
良い習慣を身につけることは、
着実な幸福への道と、
以前の記事にも書きましたが、
生活習慣病対策として
悪しき生活習慣を改め、
健康に良い生活習慣を身につけることは
心身のウェルビーイング、幸福に直結する課題です。
しかし、
健康に良い生活習慣は身につきにくく、
悪しき生活習慣ほど染み付きやすいものですから、
まさにスーダラ節の
「わかっちゃいるけどやめられない」
のが悪しき生活習慣です。
■「わかっちゃいるけどやめられない」をやめる方法
魔法の杖があるわけではないのですが、
私の長年のなりわいである行動科学の応用と、
経験則の手痛い失敗とささやかな成功体験から
三つばかりノウハウを紹介させていただきます。
それは以下の三つ
1)データ・フィードバック
2)良い習慣脳の神経回路づくり
3)宣言と賞賛のポジティブ・スパイラル
今回は、まず1)の
「データ・フィードバック」について書きます。
2)良い習慣脳の神経回路づくり、3)宣言と賞賛のポジティブ・スパイラルは、
次回以降の記事で。
■「データ・フィードバック」とは、
健康状態を測定する検査データを自分に知らせ(フィードバックによるインプット)
自覚すること。
なぜ、
「データ・フィードバック」が大切か?
それは「生活習慣病」の特性にあります。
「生活習慣病」の多くは、たいしたことないと放っておくと、
知らないうちにどんどん進行して死に至ります。
死に至る深刻な病ほど、
初期はおろか、手遅れになるほど病気が相当進行するまで、
なかなか自覚症状はありません(個人差はありますが)。
私も脳梗塞発症から2年ほど前、
しばらくサボっていた人間ドックを受診したところ、
血圧、血糖値がいずれも”200”を超えており、
ビックリした記憶があります。
全く自覚症状はなかった……しかし…
まざまざと数値で突きつけられると
多くの人は生活習慣を改善しようと思い立つものです。
筆者の場合は
その後、生活習慣の改善に着手はしたものの、
脳梗塞を発症してしまい、
「手遅れ」になってしまった観は否めませんが…。
思い立っても必ずしも実践につながらないという問題はありますが、
それは次回の記事ということで
まずはデータ・フィードバックによる自覚、動機付けが第一歩。
ひところ流行った「計るだけダイエット」も、この
データ・フィードバックの原理を活用したものです。
■自分でできるデータ・フィードバック
生活習慣病にならないために重要な
健康状態の指標となる検査データ、あるいは
生活習慣病の徴候をつかみ、
早期に対策を発動するための有効な測定データには、
家庭で手軽に検査・測定が可能な項目がたくさんあります。
【身体の健康度の指標】
体重
体脂肪率
血圧
血糖値
【健康な生活習慣の実践度の指標】
睡眠時間、起床・就寝時刻
運動量(歩数、運動回数、時間等)
喫煙本数
飲酒量
摂取栄養素量(カロリー、塩分、糖質、タンパク質、脂肪、ビタミン、食物繊維、鉄分その他)
これらは、比較的簡単に自分で測定、見える化することが可能です。
自分で測定できないものは
定期健康診断、人間ドックや
かかりつけのクリニックで定期的に検査してもらうことも、
フィードバックの有効な手段です。
データフィードバックは
他人から指摘されるより、
自ら測定して、自分にフィードバックする、
すなわち
セルフ・フィードバックによる方が
受容しやすいものです。
データを突きつけられても
自己受容できないと、生活習慣の改善には踏み出せません。
自ら納得して測定し、
自分の測定データと向きあえると
生活習慣の改善につながりやすいのです。