「絶望は死に至る病である」キルケゴール
絶望は死に至る病である。
自己のうちなるこの病は、永遠に死ぬこと…
(キルケゴール『死にいたる病』松浪信三郎・飯島宗享訳、白水社)
「死に至ること」が
不幸の極致であるとすれば、
「絶望」こそが
「不幸」の極みであると言えるでしょう。
キルケゴールは
実存主義のパイオニアとして知られていますが、
深くキリスト教を信仰しているので
肉体的な死を真の死とは認めていません。
死に至る病とは、肉体的な死を意味するものではなく、
精神的に死ぬこと、
すなわち本当に永遠に死んでしまうこと、
「絶望」をそういうものととらえているのです。
「絶望」とは「希望を失うこと」であるとすれば、
「幸せ」は「希望」を持っていることとも言えます。
「希望こそが現在の幸福なのだ」
と同じキリスト教の神学者
モルトマンが言っています。
そのことは以前の記事で書きました。↓下記参照『希望そのものが現在の幸福なのだ。J.モルトマン』希望そのものが現在の幸福なのだ。 希望は貧しい者を幸いなりと讃え、疲れた者や重荷を負う者、いやしめられ悔られた者、飢えた者や死に瀕した者を引き受ける。 なぜな…ameblo.jp
精神的な死、すなわち「絶望」によって、
永遠に死に絶えてしまうことがないように、
常に自らの中に
「希望」の松明を携えているか、
自分に問いかけていかねばなりません。