EHとESの違い①~「幸福度」は「満足度」より高い

データで見る「幸福度」と「満足度」の違い

まず、試しに次の問いに答えてみてください。

1.私は幸せである

とても不幸…0…1…2…3…4…5…6…7…8…9…10…とても幸せ

2.私は人生に満足している

とても不満…0…1…2…3…4…5…6…7…8…9…10…とても満足

いかがでしょうか。点数に正解や、いい、悪いはありませんけれども、「1」と「2」のどちらが高くなったでしょうか。「1」は「幸福度」、「2」は「満足度」を訊いていますが、筆者の今までの経験、いろいろな組織でのデータでは、多くの場合、「幸福度」が「満足度」より高くなります。

次のグラフを見ていただきましょう。

図 1

縦軸:0~10の11段階,数値は全体平均値 N=2000

「幸福度」「満足度」共に、10点が最高、0点が最低ですから、5点が真ん中の値、肯定と否定を分かつ値となります。
筆者が2019年10月に実施したアンケートによる全国調査(2000件)の結果ですが、 ご覧いただくとわかるように、「幸福度」が「満足度」より高くなっています。「幸福度」は平均値5.27で肯定的(「幸せ」と感じる度合いの方が高い)ですが、「満足度」は否定的(満足度が低い)です。前にも述べましたが、「満足度」より「幸福度」が一般的に高くなるということが確認できると思います。統計的にも有意(有意水準0.05)な差があります。
なぜこのような幸福度と満足度の差が生じたのでしょうか。それは幸せだけど不満があるという人が、現実にかなり存在するということに他なりません。とても誤差の範囲に含まれると片付けるわけにはいきません。同じ人間に「満足しているか」と聞くのと「幸せか」と聞くのでは明らかに回答の数値が異なるのです。
ご覧いただいたように、一般的に満足度よりも幸福度の回答数値が高くなります。これは多くの人が自分自身の人生を全体として肯定、すなわち「幸せ」と認識していると同時に現状に関しては建設的「不満足」、もっと成長したいとか、もっと会社をよくしたいとか建設的な問題意識を持っていることによると考えられます。一般的に、多くの人が幸せであると同時に不満なのです。
従って「満足度」は「幸福度」の代替指標となり得ないことは明らかです。J.S.ミルが指摘したように「満足度」と「幸福度」は、決定的に異なる概念なのです。(松島 紀三男)

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