日本は従業員の賃金が安すぎる Monopsonyの弊害が顕著
日本は従業員の賃金が安すぎる Monopsonyの弊害が顕著
日本の賃金は安すぎる。先進国でこの間、賃金が低下し続けているのは日本だけだ。
システム論的には、一社だけ高賃金を提供してしまうと、
コスト増加から競争に負けてしまうので、対抗上やらざるを得ないという、
市場の「共有地の悲劇」の典型である。
結局、みんなのためにならないのに、
企業が目先の利益に狂奔してまずい選択をしてしまう。
合成の誤謬とも言える。
よほど志が高く、高付加価値の優位性あるサービスを提供できる企業以外は本来あるべき賃金を提供できない。
日本人従業員の国民性、価格の高低にかかわらず、最高のサービスを提供しようとする姿勢、
最善を尽くそうとする勤勉性が影響しているとも考えられる。サ
ービス残業を喜んでやるのが多くの日本人である。
それにつけこむブラック企業が後を絶たないのもこれに拍車をかけていると思う。
長期的には、労働者の尊厳を守ると言う、経済の倫理、文化的なコンセンサスの確立が必要であるが、
短期的には行政による規制が不可欠であると思う。
国自ら非正規雇用を促進してきた、悪政を見直しして、勤勉に働く日本の従業員に、
まっとうな幸福を実現させて欲しい。
(松島 紀三男 イーハピネス株式会社 代表取締役)
参考:東洋経済オンライン 東洋経済新報社
https://toyokeizai.net/articles/-/357011