男と女、どっちが幸せ? 性別/年齢別幸福度変化

「幸福度」は性別でどう違うか?

男性と女性、どっちが幸せなのでしょうか?
今まで何度も言及してはいますが、あらためて最新のデータを見て見ましょう。
働いている日本国民の男女別別「幸福度」の変化を調査・分析してみました。下記のグラフをご覧ください。

【従業員幸福度の男女別グラフ】
(N=6000,2023年4月~2024年2月)

男女別/年齢別幸福度変化の特徴

男女別、年齢別幸福度変化の特徴を見ると、以下のようにまとめられます。

1.女性が総じて男性よりも幸せであり、特に女性の「私生活の幸福度」が高い
2.男女共に「幸福度」は年齢の変化に応じてU字型のカーブを描き、男性は50~54歳、女性は55~59歳がボトムとなる

3.多くの年齢層で女性の「幸福度」が高いが、25~29歳、55~59歳では男性が「幸福度」が高い
4.結婚が大きく影響し30~34歳で男女の「幸福度」の乖離大、女性の「幸福度」の高さと比べ男性の低さが目立つ
5.女性の「幸福度」変化は男性よりも起伏が激しい

個別に詳しく見ていきましょう。

1.女性が男性よりも幸せ、特に女性の「私生活の幸福度」が高い

上のグラフの通り、女性が「総合幸福度」「働く幸福度」「私生活の幸福度」の(現在)(将来)全てで男性よりも幸せと回答しており、
特に女性の場合、男性よりも「私生活の幸福度」が特に高いことが特徴です。
このことは弊社、イーハピネス株式会社が毎月実施している
従業員幸福度調査毎月統計
https://e-happiness.co.jp/employee-happiness-survey-monthly-statistics/

でもお知らせしていることですが、世界的傾向とも一致しています。すなわち、
女性が男性よりも「幸福度」が高いのは一般的傾向なのです。
しかし「働く幸福度」では、男性との差が相対的に小さくなっています。
このことは「働く幸福度」において、女性がまだまだ不利な条件を背負っていることの証左と推察されます。

2.男女共に「幸福度」は年齢の変化に応じてU字型のカーブを描き、男性は50~54歳、
女性は55~59歳がボトムとなる(下記グラフ参照)

【従業員幸福度の男女別グラフ】(N=6000,2023年4月~2024年2月)

世界的には、人々の「幸福度」はU字型カーブを描くことが知られています。
U字型ということは、若い人と高齢者が「幸福度」が高く、中年層がボトムになるということであり、
上の調査結果のグラフは、概ね世界的傾向と一致しています。
ただし、男女共に「幸福度」は年齢の変化に応じてU字型のカーブを描きますが、男性は50~54歳、女性は55~59歳がボトムとなっています。
男女共に「幸福度」は中高年が底となっていますが、男性と女性とでは「幸福度」の谷底となる年齢がずれるのはなぜでしょうか。
ここで言う「幸福度」は感情ですから、正確には「幸福感」(Happiness)という主観的「幸福度」を示したものです。
主観的「幸福度」の原因となるのは、男女の精神的幸福の感じ方の違いと客観的複利(Well-being)の状態です。
影響を与える要因として考えられるのは職場、仕事を取り巻く状況の違い(人間関係、ガラスの天井等)、私生活の状況(結婚等)、家庭生活環境(出産、子育て及び仕事との軋轢等)の違い、男女の生理的条件(男女の更年期の違い)の違いが影響していると思われます。

3.多くの年齢層で女性の「幸福度」が高いが、25~29歳、55~59歳では男性が「幸福度」が高い

多くの年齢層で女性の「幸福度」が高いのですが、25~29歳、55~59歳では男性が女性より「幸福度」が高い傾向が表れています。
55~59歳では男性の「幸福度」が高いというより、女性の「幸福度」が、この年齢層で落ち込むと見るべきでしょう。
これも職場、仕事を取り巻く状況の違い、結婚や子育て等、私生活の状況、家庭生活環境の違い、男女の生理的条件の違い等によると考えられます。

4.結婚が大きく影響し、30~34歳で男女の「幸福度」の乖離大、女性の「幸福度」の高さと比べ男性の低さが目立つ

30~34歳で男女の「幸福度」の乖離が顕著であり、女性の「幸福度」の高さと比べ男性の低さが目立ちます。
この時期は平均的結婚年齢に相当します。
国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」によると、夫妻の平均初婚年齢は夫が30.7歳、妻が29.1歳、平均交際期間は4.3年となっています。
30~34歳は男女既婚者の結婚直後の時期にあたり、男女での「幸福度」の違いは「結婚」という人生の一大イベントが大きく影響していると考えられます。
データを見ると、女性は既婚者の比率が高く、かつ30~34歳既婚女性の「幸福度」は非常に高くなっています。
それと比べて男性の既婚率は半数以下であり、かつ既婚者は未婚者よりも「幸福度」が高いものの、女性ほど極端な差はありません(※下表参照)。
これが30~34歳で女性の「幸福度」の高さと比べ男性の低さが目立つ原因と見て間違いないでしょう。

興味深いのは、女性既婚者の「幸福度」が30~34歳の初婚直後の時期をピークとして、その後の「幸福度」が急激に低下していることで、
60歳以上では逆転し、むしろ未婚女性の方が既婚女性より「幸福度」が高くなっていることです。
対照的に男性では、ほぼ一貫して既婚男性の方が未婚男性より「幸福度」が高くなっています。
男性にとって結婚は一生「幸福度」を高める福音であるのに対して、女性にとって結婚は一刻の夢と長期の幻滅なのかもしれません。
もちろんこれはデータの一般的平均に過ぎません。真の幸福は個々の夫婦の関係によるものです。
ただ、日本の特殊事情として、改善されつつあるとはいえ、夫婦間の役割分担の不均衡、女性に男性が過度に依存している家事、子育て等が影響している可能性もあると考えられます。

5.女性の「幸福度」変化は男性よりも起伏が激しい

上のグラフや表でも読み取れるのは、女性は男性と比べ「幸福度」の変化、起伏が激しいということです。
定量的に確認すると、下表の通りです。
【男女別「幸福度」のバラツキの大きさ(標準偏差)】

*標準偏差とは平均値の周りにどれくらいデータ(ここでは男女個々人の「幸福度」)がばらついているか、その大きさを表す数値です。

「幸福度」が高いというのは、上にも示したように感情ですから、「幸福感」(Happiness)という主観的「幸福度」ですが、
「総合幸福度」「働く幸福度」「私生活の幸福度」各々の(現在)(将来)全てで、
女性の「幸福感」のバラツキが男性より大きいことが定量的に確認できます。
女性の「幸福感」は男性と比較して起伏が大きいことは、季節、月間変動、年齢別変動、結婚等ライフスタイルの変動、属人的変動の全てで確認できます。
これは、男女の生理的違い、ライフステージの違い、客観的複利(Well-being)および、それによって影響を受ける「幸福感」の感受性の違いが重奏的に絡み合っているものと推察されます。
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