若い人と中年、高齢者、誰がいちばん幸せ? 年齢別幸福度の変化

「幸福度」は年齢によってどう変化するか?

「幸福度」は年齢によってどう変化するのでしょうか?、若い人と高齢者ではどちらが幸せなのでしょうか?
それを明らかにするために働いている日本国民の年齢別幸福度の変化を調査・分析してみました。下記のグラフをご覧ください。

【従業員幸福度の年齢別推移グラフ】
(N=6000,2023年4月~2024年2月,性別分布ウェイトバック集計済)

高齢者が最も幸せ

一番「幸福度」が高いのは65~70歳、次いで60~64歳の高齢者従業員です。
世界的には、人々の「幸福度」はU字型カーブを描くことが知られています。
U字型ということは、若い人と高齢者が「幸福度」が高く、中年層がボトムになるということであり、概ね世界的傾向と一致しています。
ここで高齢者が「幸福度」が高いというのは、高齢従業員の実感ですから、正確には「幸福感」(Happiness)という主観的「幸福度」を示したものです。
主観的「幸福度」の原因となるのは、精神的幸福の成熟と客観的複利(Well-being)の状態です。
高齢者は、一般的に肉体的には衰え、能力他の可能性が制約が増大していく面もありますが、達成、蓄積しているものが多くなり、
精神的成熟により自分の人生を肯定的に受容し、一般的に「幸福感」が向上する傾向があることが影響していると考えられます。
さらに今の日本の高齢者を取り巻く客観的環境、経済や社会福祉等、客観的複利(Well-being)が、
若年層より相対的に充実していることも大きく影響していると考えられます。

若年層が高齢者に次いで幸せだが、若い人は将来の幸福に希望が持てない

若年層が高齢者に次いで幸せですが、若い人は中高年以上と比べて、将来の幸福に対して
「自分の将来は幸福になるだろう」という未来への希望が持ちえていないことが重大な問題と考えられます。
特に30~34歳の若年層では、(現在)の「総合幸福度」が平均値6.57と若年層のピークに達し、60歳以上の高齢者に次いで「幸福度」が高いものの、
(将来)の「幸福度」への期待は「総合幸福度」「働く幸福度」「私生活の幸福度」全て平均値6点未満(6点未満は否定的)と
(現在)の「幸福度」とのギャップが最も大きくなっています。
この原因として考えられるのは、結婚、子育てのスタートを切る年齢層であるので、
これから結婚、子育てを含む人生設計に希望を見出せるような経済や社会福祉等、客観的複利(Well-being)の充実の展望が見えず、
むしろ衰退していくと予測していることによると見て間違いないでしょう。
この日本の政治、経済、社会の先行きに対する悲観が、若い勤労者の(将来)の「幸福」への希望を損なっていると考えられます。

現役世代の中高年が最も不幸

最も「幸福度」が低いのは、55~59歳のリタイア前の世代の中高年です。
全体的に34歳以降「幸福度」は低下の一途をたどり、45~59歳では「総合幸福度」「働く幸福度」「私生活の幸福度」の(現在)(将来)全てが
平均値6点未満の「不幸せ」レベルに沈んでいます。
先に述べたように「幸福度」は高齢者と若者が高く、中年層が低く谷間を形成することは世界的に一般的傾向ですが、
本調査では勤労者に限定していること、今の日本の勤労者の特殊事情が影響していると考えられます。
55~59歳の年齢層は、一般的に勤務先で重要な責任を担い、様々な困難にも直面することも多くストレス、健康への不安も多いと考えられます。
それに加え家庭内での負担もまだまだ多くのしかかっている人も少なくない年齢層です。
様々な負担、軋轢にさらされ、苦悩を抱えていることも多い世代であることが影響しているのでしょうか。
日本固有の雇用環境による影響を考えると管理職定年、再雇用一歩手前の世代であることも関係している推察されます。
ポスト喪失、賃金の劇的低下、セカンドキャリアへの不安等、「幸福度」を毀損する様々な要素が存在します。
日本の現役世代中高年の「幸福度」を高める施策が望まれます。

コロナ禍以前と変わらない日本の年齢別「従業員幸福度(EH)」の傾向

以上、年齢層別の推移から見た、今の日本の勤労者、「従業員幸福度(EH)」の傾向を述べさせていただきましたが、
弊社、イーハピネス株式会社では、ほぼ同様の調査を2019年に実施、以降毎月継続的に実施しています。※下記リンク参照
従業員幸福度調査毎月統計
https://e-happiness.co.jp/employee-happiness-survey-monthly-statistics/
当社、イーハピネス株式会社の調査では、コロナ禍前もコロナ禍以降も基本的に上に述べた同様の傾向が継続しています。

*男女の年齢別「幸福度」推移は次回に

実は「幸福度」は男女で年齢別の「幸福度」の変遷はずいぶん異なります。
そのため、本調査では、年齢層毎の男女比を日本の人口比に調整して集計(ウェイトバック集計と言う)しています。
男女の年齢別「幸福度」推移は次回記事に述べさせていただく予定です。

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