脳からの幸福―脳科学の応用で「幸福脳」をつくる―
脳科学の応用―脳からの幸福―
□脳が幸福を支配している
近年、脳科学の研究によって、同じ環境に置かれたとしても、
脳の生理学的違いに大きく影響を受け、
一人ひとりの幸福感が異なることがわかってきました。
幸福感(Happiness)をもたらす
「幸福脳」の回路は、左側の前頭葉にあると言われています。
左側の前頭葉が活性化すると
喜びや幸福感などのプラス感情を抱きやすく、
反対に、右側前頭葉が片寄りの著しい活性化をして、
左側前頭葉のはたらきを圧倒すると、うつを発症するケースが多いということです 。
□何歳になっても脳は変わる
これは、
脳の構造によって幸福の感じ方は決まってしまっていて変わることはない、
ということを意味するではありません。
現代の研究では「脳は変わらない」という誤った前提から
「脳は変わる」
「脳地図は書き換えられる」というパラダイムへと、
脳科学の変革が起きています。
多くの新しい研究成果によって、
脳は環境に応じて変化を続け、
回路を組み替えるのは脳の基本的性質であるという考え方に変わってきました 。
論より証拠、
私は脳梗塞発症後2年5ヶ月経過した今も
地道に回復を続けています(^_^)v
□訓練によって「幸福脳」はつくることが可能
何によって「不幸脳」を「幸福脳」に作り変えることができるのでしょうか。
これには、瞑想などのメンタル・トレーニングが有効ということです 。
古代から実践されてきた
宗教者の瞑想、座禅、ヨガ、
最近では「マインドフルネス」などの瞑想トレーニングも盛んですね。
組織が従業員一人ひとりの幸福度向上に貢献するためにも、
従来の能力開発、コーチングなどのプログラム、
心身の健康をサポートする仕組みに加えて、
脳科学を応用した取り組みが今後期待されます。
イーハピネス社の取締役でもある、
加藤和宏(Learning and Performance Consulting Inc.代表取締役)は、
伝統的なコーチングと脳科学の応用技術、
ニューロフィードバックを組み合わせた
「ニューロコーチング®」を展開しています。
(松島 紀三男 イーハピネス株式会社 代表取締役)
参考文献
生田哲『脳地図を書き換える』東洋経済新報社、2009年
「幸福の脳活動を解明-大脳右楔前部の安静時活動が低いほど主観的幸福得点が高い」京都大学HP.研究成果、2019年08月26日、論文:Sato, W., Kochiyama, T., Uono, S., Sawada, R., Kubota, Y., Yoshimura, S., & Toichi, M.「Resting-state neural activity and connectivity associated with subjective happiness(主観的幸福と関係する安静時の脳活動・結合)」Scientific Reports DOI: