あなたを不幸にする人 ③サイコパスからの被害を防ぐには?

前の記事からの続きです。前の記事→付き合うとあなたを不幸にする人②

うっかり付き合うと自分が不幸に陥れられるタイプの人、

気をつけた方がいい相手を精神医学上の分類では「サイコパス」と言います。

サイコパスの人物から被害を被らないために適切な対処方法

を予め知っておく必要があります。それは…

1.サイコパスの特徴を知り、そういう人物が近づいてきたとき、すぐに察知する。
2.自分がサイコパスの被害に遭いやすい人間か、自己理解を深める。
3.サイコパスらしき人物が自分に近づいたときの対応法、具体的行動のガイドラインを決めておく。

ですが、今回は③被害を防ぐ方法についてお話しします。

3.サイコパスの被害を防ぐ対応法

サイコパスの被害には、次の三つのレベルでの被害が考えられます。

1)個人レベル…夫婦、恋人、知人、友人等、サイコパスの個人からの被害
2)組織レベル…トップ、幹部、管理者等、サイコパスの権力者からの組織構成員の被害
3)国家レベル…国家元首等、国家レベルでのサイコパス権力者が国民にもたらす害

全てのレベルに共通するサイコパスからの被害防止法は、

自己の意見をしっかりと持ち、他人の言動に対して適切な距離感を保つこと
不審に思う点があれば、それを無視せずに指摘、主張すること

ですが、現実的にこれが躊躇なく実践できる人はパレートの法則に則り、2,3割でしょう。

従って誰でも比較的やれる現実的対処方は、

「関わらない、身近にそういう人がいればすぐに離れる」

ということになるでしょうが、これは、
1)個人レベルでは、しがらみを絶つ決断ができれば、可能、
2)組織レベルでは、自分の生活を維持する必要があり、個人より難しくなりますが、辞める決断ができれば可能となります。

大問題なのは
3)国家レベルでのサイコパス被害であり、これは出国できない限り不可能です。

サイコパスは権力を欲するので独裁政治家が産まれやすい

サイコパスは他人を支配しようとする権力欲が強いので、マーサ・スタウト博士によると、サイコパスの割合は25人に1人とされていますが※1、
サイコパスの政治家を産む可能性は実際の人数比より予想外に高いと考えられます。

サイコパスは権力を奪取しようとするとき、必ず「魅力的リーダー」として登場します。
サイコパスは表面上は口達者、社交的で、魅力的な人に見え、他人を利用し自分の目的を達成するために平然と嘘をつけるからです。

故に、権力を目指すサイコパスは、形式的に合法的プロセスで権力を握ります。
もちろん目的の為には手段を選ばないのがサイコパスですから、裏では様々な権謀術数、悪辣な手口を用いるでしょう。
いったん、サイコパスが権力を握れば、とんでもない厄災を国民にもたらす場合があります。

精神医学的に断定は出来ないのですがサイコパスと推定される独裁者と被害の例を下記に挙げます。

●スターリン:
個人崇拝を国民に押し付け、恐怖政治を敷いたスターリン体制下のソ連で、数千万人が粛清されたと言われています※2)
●毛沢東:
中国共産党の創立メンバーの一人で、中国の最高指導者の 地位についた毛沢東は国家主席に就任すると反対勢力を粛清、独裁体制を強化し、
独裁化を批判する50万人以上を投獄、 他にも数百万人が処刑死または拷問死、国民は推計で5000万人前後が犠牲になったとされます。

その他、独裁者による被害の例を列挙します。

●アドルフ・ヒトラー

ドイツ 期間:1934-1945 殺害人数:1700万人

●金日成

北朝鮮 期間:1948-1994 殺害人数:160万人

●ポル・ポト

カンボジア 期間:1963-1981 殺害人数:170万人

これらに共通するのは、いずれも民主国家ではない、もしくは民主主義が失われた独裁・専制国家であることです。
逆に言えば、

民主主義に基づく政治体制が確立・維持されていれば、サイコパス、独裁者の悪逆非道を防ぐことが可能

ということです。
民主主義が浸透、定着し、議会制民主主義が確立・維持されていれば、サイコパスの権力奪取を未然に防ぐことも不可能ではありません。
不幸にしてサイコパスが権力を握ってしまった場合でも選挙によって、権力の座から引きずり下ろすこともできます。

しかし、これは我々主権者が政治の主役として、政治家の動向に常に関心を持ち、監視の目を光らせておくことが前提条件となります。
ところが、国民の政治的無関心が問題となって久しく、特に投票率低下が加速している今日、民主主義は空洞化の危機にあります。
昨日の衆議院の補欠選挙の投票率は東京15区で約40%、長崎は35%に過ぎません。
ゴールデンウィークの二日目で、おまけに好天というのが投票率低下を加速したと言われていますが、
自分と家族の一生に関わる大事よりも、つかの間の行楽を優先するのは正気の沙汰ではありません。
また、激しい選挙妨害という新たなテロリズムが喫緊の問題となっています。
このような事象は、国民自らがサイコパス独裁者の被害を自ら招きつつあると言っても過言ではありません。
自分の頭で考え、主権者としての自覚を持って政治に参画することこそ、サイコパスからの国民的被害を防ぐ最重要事と肝に銘ずるべきと考えます。

注)出所、参考
※1)『良心をもたない人たち』(The Sociopath Next Door),Martha Staut著,木村博江訳、草思社、2012/10/04
※2)https://world-note.com/list-of-dictators/

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