従業員幸福 8つの法則 1.仕事を天職にする①

社員、従業員が幸せに働く8つの法則 1.仕事を天職にする①

「従業員が幸せに働く8つの法則」の第1の法則は
「仕事を天職にする」ということです。 

自分は今天職に就いている。
働いていてそういう実感を持てるとすれば、
人は最高に幸せと感じるのではないかと思います。 

天職を得ている、そう心から思える状況というのは、
自己実現を果たしていると言えるでしょう。

自己実現は働く幸福度に結びつく最も大きな要因です。
このことは、私が実施した、延べ1万人以上の
働く幸福度の調査「EH調査®」でも、統計的に明らかとなっています。
 
今の仕事に就いていることが、自ら与り知るところではない
人智を超えた啓示であるかのごとく思えるとき、
人は天職だと実感するのでしょう。

ところで、天職という言葉の語源が、あれこれ調べてみてもわかりません。
私は、ある言葉について考察するとき、語源を確認することから始めるのですが、
これがどうしてもわからない。
どなたかご教示願いたいものです。

閑話求題。 

英語で「Calling」という言葉は「天職」を意味しますが、
これには「召命」、神からの呼びかけという意味が込められています。

つまり天職というものは、自らの判断で選んだものでなく
人智を超えた力によって導かれた気がする、
そういう、ある種神秘的な運命によって定まったような実感が持てるほど、 
強い適職感、これしかないという自己実現の確信が持てるもの、
それが天職だと思います。

早くから自分のなりたい姿、やりたい仕事、
すなわち天職に違いないと確信の持てるものを見つけ、
明確なキャリアビジョンのもとに、まっしぐらに進めた人は幸せです。

でも意外にそういう人は少数派ではないかと思います。
実際仕事でこれまで実施した研修や講演会などで、受講者に対して、
「なりたいと思っていた職業に、今就いていますか?」 
とよくお聞きしたものですが、 
「YES」という答えは1割にも満たなかったと言うのが現実です。

ではどのようにすれば、
「天職」に巡り会えるのか。 

ここで重要なポイントは、

「天職と思える仕事を選ぶ」というのでなく、

自らの仕事を「天職にする」ということです。 

どういうことか。

それは、

「確かに天職だ」という確信を得るには、

結局仮説としての仕事の経験から実感、検証するしかない、

ということです。

先ほどの質問の例でもわかる通り、
「天職と思える仕事を選ぶ」ということを、
自覚的に、人生の早い時期から定め、かつ確信を持って掴み取ることができる人は、
一割にも満たないのです。

しかし、

「今の仕事を天職と感じますか?」という質問に

「YES」と答える人は、ぐんと多くなる。


就職活動をしている学生たちに、
「あなたが『天職』として取り組みたい仕事は明確に定まっていますか?」
と聞いたとしたら「 YES」 と答えられる学生は、
おそらく良くても3割に満たないと思います。 
「自分の天職といえるものが何なのか、よくわからない」
という若い人が、おそらく大多数を占めるのではないかと思います。 

「天職」とは見方を換えると、
自分の理解を超えるものだから「天職」と言うこともできるでしょう。 

「やりたいことがわからない」というのは、
青年期によくある、ごくありふれた悩みです。

自分にとってどんな仕事が「天職」と言えるか、
客観的判断基準を持って、
自ら的確な判断で選択するというのは不可能ではないか。 

私はそう考えるのですが…。

「自分のことは、自分が一番よくわかっている。
だから、天職は自分だからこそ判断できる」

そう考える人が多いかもしれません。
実際、それは概ね正しいと私も思います。
ただし、全て正しいわけではない。

それには二つの理由があります。

第一の理由は、人間は自らの内なる声に、しばしば不誠実であること。

第二の理由は、自らが知らない、自分の潜在的な可能性の領域が大きいこと。 
自分にとって何が天職なのかわからない。
特に若い人には、こういう場合が実に多いと思います。
この第二の理由は次回述べます。

まず第一の理由から考えてみましょう。 

自らの内なる声に誠実で
自らの魂の声に耳を澄ませて、純粋にそれに従うことができる人は、
本当に自分のやりたいことを、まさに天職として、選び取るでしょう。

しかし残念ながら、それができる人は意外に少ない。
一番多いパターンは、やりたいことがあっても挑戦するのを諦めること。
なぜかと言うと失敗して傷つきたくないから。
しかし、しばしばやらない理由は潜在意識の奥底に隠されていて、
表向きはもっともらしい理由をつけて「合理化」をすることが多いのです。


やれ、
「自分には向いていない」
「私の能力では無理だ」

潜在的には「やってみたい、挑戦したい」と言う願望はあるのですが、
挑戦に失敗して、傷つきたくないという潜在的欲求、恐れの方が勝って、
せっかくやりたいことを見つけていながら、
チャレンジのドアを勇気をもってあげることができず、
門の前でくるりと引き返してしまう。 

もっともらしい理屈をつけて、 本当は、
「失敗して落胆しないで済む」という、消極的報酬を選択していることに気づかない。
心理学的には「合理化」という防衛機制(自己の精神的な崩壊を防ぐ働き)の一種です。

これを、ジュリア・キャメロンは
「あなたの中の検閲官」と呼んでいます。※注

「あなたの中の検閲官」に対して、従順な模範的人間となり、
ネガティブファンタジー(否定的な思い込み)の虜になってしまう。

何を隠そう、この検閲官に対して、一番忠実であったのは私かもしれない。
つくづくそう思います。

人はしばしば自分に対して嘘をつく。
自分自身に対して誠実になるのは、意外に難しい。 

でも不可能ではない。
私自身それから脱却するのに、
会社が派遣してくれたある研修が機会となりました。 

やりたいと思ったことが心に浮かんだら、
ネガティブファンタジーを振り切って、
挑戦してみる価値がある。
それが「天職」に巡り合って「働く幸せ」を掴む第一歩だと思います。

※注ジュリア・キャメロン『新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい』サンマーク出版、2017年 

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