「従業員幸福度(EH)」 男女でどう違う?②

「従業員幸福度(EH)」 男女でどう違う?②

育児、リタイアの時期だけ男女の幸福度が逆転 

男性、女性、それぞれ年を経るにしたがって、どのように従業員幸福度は推移するのでしょうか。次の図は男性、女性の「(総合)従業員幸福度」「私生活の幸福度」「働く幸福度」を年齢別にクロス分析したものです。


見ていただくとわかる通り、大半の年齢層で女性が男性よりも幸福度が高くなっています。

しかし、「(総合)従業員幸福度」「私生活の幸福度」は35歳から39歳と60歳以上のみ、

「働く幸福度」は、30歳から39歳と50から54歳で、

男性と女性の幸福度が逆転しています。

他の年齢では、女性の幸福度が男性より高いにもかかわらず、

これらの時期だけ逆転するのは、どういうことなのでしょうか。

35歳から39歳は、ちょうど子育ての時期と重なっています。

また60歳以上は、リタイアメントの時期と重なります。

これら、人生における重大なイベントのもたらす変化が

性別の幸福度の逆転に影響していると考えます。

可能性として考えられるのは、

日本の社会で根強い性別役割分業、

家事・育児における女性の負担の大きさが影響しているのではないかと推察します。


「私生活の幸福度」について、男性、女性、それぞれの年齢別推移を見てみると、

「(総合)従業員幸福度」とよく似た傾向を示していることがわかります。

それと比べて「働く幸福度」は、異なる反応を示しています。

「私生活の幸福度」と「(総合)従業員幸福度」の傾向がよく類似しているのは、

総合的な幸福度が「私生活の幸福度」に、より強く影響を受けることの表れです。


女性の幸福度の35歳から39歳における落ち込みが目立ちますが、

その傾向は「私生活の幸福度」において、より顕著です。


子育ての時期に、

女性の「私生活の幸福度」が「(総合)従業員幸福度」

よりも深く落ち込んでいるということは、

育児という家庭の環境変化が、

より女性の負荷として大きくのしかかっていることが影響していると考えます。

男性と比べて女性のみ落ち込みが激しいことから、

性別役割分業が根強く、

男性よりも女性の方に一方的に負荷がかかっている懸念があります。


「働く幸福度」とは、特定の組織の従業員として働く幸福度を問うものです。

女性が概ね男性よりも「働く幸福度」が高い傾向を示したのは

「(総合)従業員幸福度」と変わりませんが、

男性が女性よりも「働く幸福度」が上回る期間が30歳から39歳までと、

より長くなっています。

さらに50歳から54歳までの間、

女性の「働く幸福度」が男性を下回っています。

男性の「働く幸福度」が、30歳代の10年間、女性よりも高いということは、

働くことについて幸福感の高揚をもたらす何らかの組織、職場の要因が、

女性より強く働いていることが考えられます。

逆に言うと、女性の「働く幸福度」の上昇を抑制する

何らかの要因が働いている可能性があります。


女性が組織で働くことについて、

まだまだ様々な障害があることを示すデータであり、

男女共同参画という観点からは、

未だに不利な立場に置かれているということを示すものだと考えます。

(松島 紀三男 イーハピネス株式会社 代表取締役)

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