現代の働く幸せ、「従業員幸福度(EH)」 をさらに高めるための課題

現代の働く幸せ、「従業員幸福度(EH)」 をさらに高めるための課題 

 今まで従業員幸福度に先立つ人類の幸福及び幸福論の歴史、従業員の誕生とそこで新たに明らかになった幸福の可能性と危機について見てきました。人類の歴史を紐解いて、その時代に生きた人々が考えた幸せのかたち、働く幸福の変遷について考えてきましたが、幸せをめぐる歴史の旅も、ついに現代に到達することができました。現代に生きる我々は、今後どのように働く幸せを模索していけばいいのでしょうか。 
長いスパンで見れば、従業員の幸福度の基礎となる客観的福利(Well-being)の状況は先人たちの努力によって大いに向上が図られてきたと評価できます。
 しかし、近年の状況を見ると、福利(Well-being)向上の歴史に逆行するような動き、 AI などデジタル技術を中心とした産業構造の変化の中で、新たに顕在化しつつある問題も存在します。また、人間が自ら引き起こした地球環境の問題は、人類そのものの生存を危うくする重大な脅威となっています。 
 働く人々の幸せを考える時、このような変化に直面している現代の状況は、どちらかというと、これを脅かすような問題が顕在化していると言わざるを得ません。
 このような、働く人々が目の当たりにしている現在の変化はかつてないものであり、先に述べたように幸福の第三の波と総称しても良いのではないかと考えます。 
 そこで、これまでの考察に基づき、現代の働く人々、従業員が幸福であるために克服すべき課題をまとめると以下のように整理、要約できると考えます。

「三つの搾取への対応」
 これは従業員という存在が原理的に持っている問題であり、
・経済的搾取、・自己実現の搾取、やりがいの搾取の三つの問題に対応することが課題。
※経営者の方々は「私は従業員を搾取するつもりはさらさらない」と考える方が多いと思いますが、経済学的、行動科学的に経営者、従業員の意図とは別に、原理的、構造的に発生するものですから、気を悪くなさらないでください。これらの悪影響を緩和、解消することはかなりできると思いますので、一緒に考えてみましょう。 

「多様な人々が働く機会(ダイバーシティ)の拡大」
 男女共同参画、障害者、高齢者、外国人等、多様な人々が、従業員幸福度高く、安全・安心に働く機会の確保・拡大が課題。

「働く人々の貧困化、従業員の雇用の不安定化」
 世界的に進む富の集中と働く人々の格差の拡大、非正規雇用の拡大という、人類の進歩に逆行している問題と、ギグ・エコノミー化する経済の下での、ギグ・ワーカーの急増という
新たに顕在化している問題を解決する必要性。

 今までの考察を整理、要約しながら現代の我々が解決に取り組むべき課題について、考えていきましょう。

       (松島 紀三男 イーハピネス株式会社 代表取締役)

Garage Bluebell 鎌倉 小町 前々職の後輩、駒沢康子さんのお店

段階的に営業再開中とのことで、仕事帰りにでも久しぶりに寄ってみたいです(^^)

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